万代の家
Baidai House
都市部に住まう。敷地は新潟市の中心である。高層ビルが立ち並び、同時に新潟市の古い地域らしい低層の屋混みを形成する。敷地は鰻の寝床の形状をしており、奥がある。奥が深い敷地同士が地域を形成するため、その奥にコミュニティの空隙が存在していることを確かめられる。白と黒、天と地。図示化してもそれは一目瞭然である。つまり白と黒の同領域が集中するため、敷地の「奥」には十分な光が注ぎこまれ、素敵な街の奥の中庭が形成されている。施主の趣味でもある土を育て耕し菜園を築くには最良の領域であった。都市の奥に畑を形成し、道路側に出来る限り建物を寄せている。本宅は2階建てであるが、階段が2台ある。手前の玄関から居間へと上がる階段、居間から徐々にスキップダウンし、畑へと下りて行く階段。住まいは中心から、道路と奥、その二方向領域へ対峙し寄り添っている。外部の領域とのかかわりを環境性能と捉え、都市の奥に素晴らしき畑が広がっている。
その畑の恵みをいつも有難く頂戴する私なのだ。
竣工 : 2013年10月
所在地 : 新潟市
用途 : 住宅
構造規模 : 木造
建築面積 : 67.02㎡
床面積 : 111.68㎡
写真 : 村井勇
completion : 2013.10
location : Niigata City, Niigata
program : House
structure : Wood
building area : 67.02㎡
total floor area : 111.68㎡
photo : Isamu Murai