嘉山の家
Kayama House
嘉山は、豊栄街と田んぼとのそれぞれのエリアのエッジに位置する。農家さんが住まう集落の一角に新興住宅と農家が混在する場所である。敷地の奥には各住居の裏庭の畑があり豊栄らしい農の文化を垣間見る。図と地でいうなれば、本来は地としての外部=畑だが、自然派生的な集落の裏手の外部空間は図としての畑に見立てることができる。「万代の家」の敷地を訪ねた時の体験ととても類似する。敷地は奥へ奥へと進むプロセスレイヤの上に、居住空間というレイヤーが重ねられ、日々の生活は、奥の田畑や、奥の隣人の瓦の屋根、五頭連峰を意識しながら繰り広げられる。この住まいは、微笑ましい家族とお付き合いする中で、かつ奥へと動線が繋がる過程でできるだけ個室を造らないほうがいいと思った。全体の空間を空間で分節するような移動方法がよろしく、いわゆるワンルームの中を自由に家族がプログラミングするような構成としている。
奥庭のバーベキュースペースと裏隣地のネギ畑。
実に美味しそうだ。
竣工 : 2019年3月
所在地 : 新潟市
用途 : 住宅
構造規模 : 木造
建築面積 : 74.95㎡
床面積 : 104.68㎡
写真 : 村井勇
completion : 2019.3
location : Kayama, Niigata City, Niigata
program : house
structure : Wood
building area : 74.95㎡
total floor area : 104.68㎡
photo : Isamu Murai